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秋の日の出来事2
それは一本の電話から始まった、

「もしもし、西条の掛井酒店です、今、お時間大丈夫でしょうか?」
ブーがいつもお世話になっている掛井さんからの電話だった、
その内容は、竹鶴酒造の平成19年生モト(キモト)ばかりを楽しまないか?
しかも石川杜氏と一緒に、とこんな内容だ、

断る理由など無い、むしろ積極的に参加させてもらいたい、
参加させてもらうべきだ!心中は興奮していたが、冷静を装い
「楽しそうですね、是非参加さて下さい、」




10月31日土曜日、ブーの営む小さな居酒屋は、有り難いことに少し忙しかった、
ブーはいつもより早く店を閉め睡眠をとっておきたかったのだが、
そこは水商売の宿命か、こんな日に限っていつもより遅くなってしまう、よくあることだ、


「はあ、こがぁな時間じゃぁ・・・」帰宅したブーは時計を見ながらそうつぶやいた、
時計の針は5時前を指していた、
生モトを楽しむ会は正午から場所は東広島市西条、
最低でも9時には起きなければ間に合わないかも知れない!
そう思いながら結局、床についたのは午前6時前、

ブーは中々寝付けなかった、それは、まるで幼い頃、
遠足前夜に楽しみで寝つけないあの感覚と同じだな、
いつになれば大人になれるのだろう?そう思いながら夢の中へ入りこんだ、

念入りに確認していた目覚まし時計は、ブーの指示通り8時45分に不愉快な音を発した!

「ちいたぁ優しゅうに起こせんのんかのぉ?」
きちんと指示通りに仕事をこなした時計に苛立った声でブーはつぶやきながら起き上がった、

ブーにしては珍しく朝食を食べる気は起きなかった、
「駅まで送って行こうか?」妻の言葉に少し躊躇したのだが、
これから起こるであろう幸せを一人だけで味わうことへの後ろめたさが
甘えず、自分で歩くことを選ばせた、

空は重い鉛色、天気予報は当たるようだ、
帰りに雨が降っていなければきっと忘れるであろうと考え、
傘はなるべく良くない物を選んで出かけた、

自宅から駅まではおよそ15分、見慣れた景色だが、久々に歩くと一昔と微妙に変わっていることに気付く、
昔、友人が住んでいた場所が5台分の駐車場に変わっていた、あの家族は今どうしているだろうか?
など考えながら歩いた、
前方の山がにわかに騒がしい、その音は次第にこっちへ近づいて来る、
「雨じゃぁ!」傘を開くと同時に大粒の雨が激しい勢いで落ちてきた、
「こりゃあ酷いのぉ!」もう少しで駅へ付くのだが、細いその道は舗装されておらず
乾いた砂はたちまち泥の小川と変わってゆく、
無人の小さな駅には、予想より多くの人がいた、
この小さな駅は一部しか屋根は無く、小屋のような駅舎や一部の屋根の下へ皆逃げ込んでいる、
無人駅に自動改札口があり、その隣には切符の自動販売機が置いてある、
西条までの切符を購入し、切符を通した、

土砂降りの雨の中、二本の細長い鉄の塊はカタンコトンと乾いた音を少しずつ大きくしながら響かせた、
五線譜に書けば、クレッシェンドかな?そんなことを思い少し愉快になった、
やがて大きな音を立て、列車がホームに入って来た、

先の駅から乗っている人達の傘は濡れて無いようだ、
空いていた席に腰を下ろす、ふと正面に座っている少女に目が止まった、
その少女は美味しそうに おむすび をほうばっていた、
その おむすび はコンビニなどのそれとは明らかに違い愛情がこもっているように見えた、
おむすび を食べるその顔はとても幸せそうで微笑ましく思えた、
朝食を食べないで出かけたことを少し後悔した、

隣の年配の女性二人は身の回りのささいな出来事や夕べのテレビの話をけたたましい声でしている、
話の内容は決して面白いものでは無かったが不愉快なものでも無かった、
周りを見ると多くの人達は無表情で携帯電話を操作している不気味だ、

車内で色んな人を観察するのは以外に楽しく退屈しのぎになる、
広島駅へ着き乗り換えの山陽本線登りへ、
車内は空いていた、二人掛の席の窓側へ座った、列車は静かに走り出す、ふいに眠気が襲って来た、
別に逆らうことは無い、目を閉じて眠ればよい、
乗り過ごしたとしても二つ先の白市が終点だし時間も少し余裕がある、
眠り始めたその時、ガラガラの席にも関わらず、ドスン、隣に誰か座った気配、
目を開け、左隣を窺うと、丸本さんが・・・・
どうやら列車は既に広島から二駅を過ぎ海田市をも離れようとしている、
彼は、安芸区船越で酒屋を営んでいてとても感じの良い人だ、
ブーも近くに行くときは立ち寄り酒を購入する、
何より、彼の母親が作る竹の子ご飯は絶品で、
その竹の子ご飯には、コオネが入っていてその旨みは一口目からやって来るのだ、淡白な竹の子を包み込むような
コオネの脂身のコクと旨み、竹の子の食感と木の芽の香りと相まって幸せな気持ちになれる
ブーは春先にそれを頂くと、ご機嫌になるのだ、
「あっ!丸本さん、良ぉ分かりましたね、」
「お休みになっとるところ、起こしたみたいで、構わず寝て下さい、」
と、気を使ってくれたが、
隣に座った彼とは、これから飲む竹鶴生モトや、丸本酒店の近くにある本洲一の杜氏の事など、
楽しい話をしているうちに、さっきまでの眠気は何処かへ忘れていた、
西条駅までの時間はとても短く感じられた、

列車から降りると、改札口へ向かった、陸橋の階段を登っていると、
おむすび をほうばっていたあの彼女が少し先を歩いていた、
自動改札を出て後ろを振り返ると、続々と見覚えの有る面々が改札を抜け出して来た、
皆目的はブーと同じだと直ぐ分かった、
西条駅から、待ち合わせの掛井酒店までは、歩いてほんの5~6分、
雨は降っていないが、直ぐにでも降り始めそうな雲行きだ、
雑談をしながら歩き始めると、ザァ~!!いきなり激しい土砂降りの雨、
靴は勿論、ズボンも膝のあたりまでずぶ濡れになっていく、
壊れた雨樋から落ちて来る水は激しく飛沫を飛ばし小さな滝壺のようだ、
「こりゃあやれんのぉ~ズボンから靴からびっしょりじゃぁ」
「儂の傘ぁ雨漏りしよるわぃ」
皆それぞれ雨の被害を報告し合っている、しかしその表情は明るく、
少しは困りながらも何処か楽しげでもあった、




酔いが醒めてきたので、おしまい、
続きは気が向いたらって事にします。
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2009/11/08(Sun) | 日本酒 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
コメント
--待ってました!--

興官能‥教官の小説。
貴重な睡眠を妨げただけじゃなく、おむすび少女ウオッチングの邪魔もしていたとは‥陳謝‥ほでも、お蔭様で楽しい西条までの道のりじゃったです。その後は、これまた楽しい皆様のお蔭様で、さらに楽しく過ごさせて戴きました。感謝。

「酔うた時しか書けんですよ。」と言われてた教官能小説続編、楽しみにしとります。えっ?こっからは記憶が無い?そんなぁ‥。
by: おーごと酒屋M * 2009/11/08 10:58 * URL [ 編集] | page top↑
--傘も自分傘--

傘にも自分らしさの備えをと
by: 傘ピタ * 2009/11/08 13:32 * URL [ 編集] | page top↑
----

おーごと酒屋M様、
ここから先、いっぷくの途中までと、掛井酒店への移動までしか思い出せない・・・・
皆様、教えて下さい!   
by: ブーです、 * 2009/11/11 04:25 * URL [ 編集] | page top↑
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